ロンドンの建築事務所、バックリィ グレイ ヨーマンは、ショアディッチにある火災で損傷を受けた旧市場の建物を、コルテン鋼に覆われた大学のオフィスに改装した。
グレード1に指定されているムーア式のマーケットビルは、20世紀初頭に閉鎖されるまでのわずか4年間、ストリートの商売人達を守ってきた。
2階建ての建物にさらに2フロアを追加する形で、ガラスとコルテン鋼から成る建て増し部分が、元の外観の背後に立ち上がっている。
ファッション街の建物の中庭部分にあるコンクリートの壁はそのまま残され、ガラスの欄干が中2階のバルコニー部分を取り囲んでいる。
Dezeenではここ数週間の間に、「南フランスのワイナリー」や「ベルギーのシースルー教会」等、コルテン鋼を用いた建物をいくつか掲載してきました。-風化鋼を特集した全ての記事はこちらから。
Photography is by Hufton + Crow.
以下、バックリィ グレイ ヨーマンからの補足説明:
流行の先端都市イースト・ロンドン周辺地での、バックリィ グレイ ヨーマンによるこのムーア式旧市場ビルの再開発、改装は、4階層の新しい大学の宿泊施設を提供すると共に、このロンドンのファッショナブルなエリアに新たなインパクトを与えている。
大火災の後、全体の後方部分を取り壊した、グレード2に指定されている現存の建物は、大規模な工事を必要とした。バックリィ グレイ ヨーマンは、大きく影響を受けていない元の建物の外観を慎重に維持しながら、オリジナルの建物構造を修復した。
市場の独特な個性を維持するために、修復するというよりはむしろ保全するような形でのアプローチが実践された。新しい増築部分は元の建物の外観からは独立した形で建造され、それぞれの建物がお互いの独自性を保っている。
コルテン鋼の層がコンクリートフレームの建物の周りに覆われ、それが水平に奥行きを生み出し、正面の外観をレイヤー化している。またそれは、発展した都会の工業的なイメージと、古くから受け継がれてきた地域の特質とに対応している。
この工業用パレットは内部で繋がれ、何も覆うことなく本来の場所を維持しているコンクリートの建物部分は、暖かみのあるサペリ材のパネルと、上部から差し込む光を、建物全体を通して地上階まで引き込むことを可能にする、中庭を横切るガラスの欄干によって、賛辞を受けている。