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林敬一が設計した京都シルク

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Kyoto Silk by Keiichi Hayashi

建築家の林敬一(Keiichi Hayashi)氏が設計した化粧品店は、京都の中心部に位置する伝統的な木造のタウンハウスを改装したものである。

Kyoto Silk by Keiichi Hayashi

この改装では、伝統な建物である「町屋」の姿を残しつつ、一階部分を鋼鉄製の鉄骨で補強している。

Kyoto Silk by Keiichi Hayashi

一階部分には化粧品店と中庭が収容され、二階に事務所とギャラリーになっている。

Kyoto Silk by Keiichi Hayashi

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Photographs are by Yoshiyuki Hirai.

以下は建築家からの説明である。


林敬一が設計した京都シルク

京都発

京都シルクは、歴史ある京都の中心部に位置する化粧品店です。このプロジェクトでは、伝統的な「町屋」と呼ばれる木造の家屋を、小さな店舗に改装しました。元の建物は、損傷が激しく建築物の安全基準を満たしていないため、補強工事が必要となりました。そのため、元の木造二階建て建築の一階部分に、薄い鋼鉄製の骨組みを挿入しました。さらに、二階部分の床には、水平面を強化するために、べニア板を張りました。

Kyoto Silk by Keiichi Hayashi

典型的な「町屋」は、「店」「庭」「通り庭」で構成されています。「店」は居住空間、「庭」は小さな中庭、さらに「通り庭」は表通りから仕事場まで続く吹き抜けを意味します。換気・採光・移動・プライバシー・表通りへのアクセス・自然との調和など様々な観点を考慮した結果、京都市内の中心部に位置する狭い路地に店舗を建築する上で、「町屋」が最適な場所であるという結論に至ったのです。

Kyoto Silk by Keiichi Hayashi

従って、このプロジェクトで私が重視したのは、「町屋」という限られたスペースの中で、化粧品店としての機能をいかに充実させるかということでした。その際、最も重要なことは、商品をただ単に陳列するだけでなく、顧客にそれらがどのような製品であるか正確に判断できるよう並べることです。統一され視覚性に優れた内装とシンプルな棚によって、商品はありのままの姿で陳列されています。

Kyoto Silk by Keiichi Hayashi

店舗の裏側に中庭が配置され、来客やスタッフの休憩室となっています。店舗の一部でもあるこのスペースは、表通りから直接出入りが可能で、まさに「町屋」本来の特徴とも言えます。二階部分には、事務所とギャラリーが収容されています。

Kyoto Silk by Keiichi Hayashi

【建築詳細】
名称:京都シルク
所在地:京都府
建築家:林敬一
設計期間:2009年2月~4月
工期:2009年5月~6月
用途:店舗敷地
面積:52.38㎡
建築面積:37.33㎡
延べ床面積:67.58㎡
階層:二階建
構造:木造建築(外装)


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