ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(Royal College of Art)に在学するダン・ワトソン(Dan Watson)氏は、稚魚や絶滅危惧種をふるいにかける底引き網を考案した。
「セイフティーネット(SatetyNet)」と呼ばれるこの網は、巧妙に配置された穴と照明を組み合わせることで、魚の種類や稚魚を振り分ける。
この技術は魚の習性や成長の度合いを応用したものである。
ワトソン氏がこの網を考案したのは、膨大な量の市場価値のない魚が毎年捕獲され、死に絶えて海中に破棄されているという問題に取り組むためである。
このプロジェクトは、Victorinox – Time to Care competitionの環境に優しいデザインとしてノミネートされた。
ダン・ワトソン氏からの詳細は次の通りである。
ロンドンにあるロイヤル・カレッジ・オブ・アート大学院でイノベーションデザインの修士課程修了を間近に控えたダン・ワトソン氏が考案した「セイフティーネット」は、魚の様々な種の習性や成長の度合を利用した斬新な底引き網で、商品価値のある魚だけを捕獲できるように工夫されています。売り物にならず死に絶えて海中に破棄される運命にある魚までも捕獲することが、魚や漁業に打撃を与えかねないという高まる批判を背景にこの網は考案されました。
毎年7百万トン以上もの商品価値のない魚が、捕獲され海中に破棄されます。現在の漁法は魚を一網打尽にして、市場価値のある魚と一緒に稚魚や絶滅危惧種までも捕獲する点に問題があります。新しい底引き網の「セイフティーネット」を使うことで、漁獲量を抑え、稚魚や絶滅危惧種の捕獲を防ぐことができます。魚の習性や成長の度合いを利用したこの網は、種や稚魚を分別することができます。
この「セイフティーネット」を使用することで、持続可能な漁業が実現します。これによって、魚を主食として消費する世界人口の40%に安定した魚の供給が実現するだけでなく、漁業関係者にとっても持続可能な漁業が可能になります。