この花瓶は砂から出来ていて、日本昔ながらのゲームの原理を利用し作られている。
「棒落とし」と呼ばれるこのゲームは、砂の山の真ん中に棒を置くことから始まる。ゲームのプレイヤーが交代で、棒の周りの砂を取っていき、棒が倒れたら負けというシンプルなルールのゲームである。
デザイナーのカネウチ・ユキヒロはこのゲームで言う真ん中の棒をガラスチューブに置き換え、砂の山が崩れないように樹脂加工し留めている。その結果、この様な山が崩れる直前の状態を表現することが出来ている。
デザイナー本人による説明:
Sand(砂)
「棒落とし」ゲームからインスパイアされ、砂と樹脂を使った花瓶を制作した。
このゲームはいたってシンプル。まず砂の山を作り、真ん中に棒を立てる。それぞれのプレイヤーが交代で、砂を取り除いていき、ポールが倒れたら負けとなる。
このゲームは、単純に創作と破壊の繰り返し。何世紀にもわたって遊ばれてきた。
この作品では、ゲームで使われている棒がガラスチューブに置き換えられていて、樹脂を利用し固定している。砂の山が崩れそうな瞬間を表現し、花本来の美しさを見出す花瓶となっている。