玩具メーカー、レゴのデンマーク事務所。ミーティングから逃げ出すにはメタルのすべり台を降りるのが一番。
2010年にデザイナーのRosan BoschとRune Fjordが完成させたこのオフィスは、ビルンにあります。オフィスはオープンプランで、ブロックのようなディスプレイ台と模型作成台、そしてレゴ作品の資料室を組み合わせたものになっています。
中二階にはそれぞれ違った色でペイントされたガラス張りの会議室が8室、建物の周りをぐるりと取り囲むようにあります。
地上階の休憩スペースにある木製のテーブルには丸い穴が開けられ、足を伸ばせるスペースと植物の置き場を確保しています。また、ワークステーションとディスプレイ棚の間にはあちこちにラウンジがあります。
レゴがお好きなら、建築用ブロックで作られた温室についての記事を是非ご一読下さい。
写真撮影:Anders Sune Berg
以下はRosan Boschによる解説です:
LEGO PMD
レゴのデザイナーたちは世界一幸せ者です。だって一日中レゴで遊べるんですよ!レゴ開発部署、つまりレゴPMDのデザイナーたちは、遊び心に富んだモノに合った仕事場を与えられています。つまり楽しむことや遊び、創造性が何より大切な職場環境で、大人たちにとってはこの建物のデザイン自体が子どもの遊びの一部になるチャンスになっているのです。
「楽しむこと」「調和」「創造性と革新」「イマジネーション」と「持続可能性」という価値観をデザインの基盤として、レゴPMDはデザイナーたちが子どもたちのファンタジーの世界の一部になれるというユニークな開発部署となったのです。
レゴは他の人のための楽しみを作りだしているだけではありません、レゴPMDでは働くこと自体が楽しいのです!
遊び中心という考えに呼応したデザインを作り上げるため、革新と想像力、そしてイマジネーションをどこまでも自由に働かせることが許されています。
既存の通路は特大の休憩場所となって、ライトブルーのフカフカしたものは通路を軽くて柔らかな雲へと変えています。
雲は広がってソファや休憩スペース、すべり台となり、2つのフロアを楽しくて遊び心のある方法でつないでいます。
壁に描かれた巨大な草の絵やレゴの巨人、盆栽の庭を埋め込んだテーブルなどのデザイン要素を使って、物のスケールという概念に挑んでいます。誰が大きくて誰が小さいのか?どこで仕事が終わって、どこからイマジネーションが始まるのか?‐というように視覚と大きさで遊んでいるのです。
実際のデザインを通じ、子どもたちのファンタジーの世界が日常の一部となって、新しいゲームや遊びを生み出す新たなデザインの創造の場を作り出しています。
また、レゴPMDのデザインのお陰でデザイナーたちは一緒になって仕事をすることが出来るのです。地上階の部屋の中心にあるオープンスペースは人の流れを作り出し、カジュアルなミーティングスペースとなって情報交換や交流の場となっています。
両側には、集中して仕事に打ち込めるスペースがあります。ここは表彰台や模型のタワーのような展示手段として特別に設計されていて、デザイナーたちはお互いに自分の仕事を展示する機会が与えられ、部署を越えた知識やアイデアの共有を活発化しています。
1階(日本で言う2階)にはバルコニーが広がり、そこには小会議室が5室、大会議室が3室あり、それぞれ違った色で彩られています。正面はガラス張りで広々としたオープンスペースを見渡すことが出来ます。
黄色いテーブルのバーのような“ファン・ゾーン”はリラックスと交流の場になっています。一方、子ども用テーブルがたくさんあり、そこでレゴの若い社員たちが最新も模型や商品を試すことが出来ます。
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新しいレゴPMDはイマジネーションを無限に働かせることの出来る子どもの世界であり、子どもと子どものようなデザイナーのためのものです!
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プロジェクトタイトル:レゴPMD
クライアント:レゴシステム A/S
デザイナー:Rosan Bosch、Rune Fjord
プロジェクト設置場所:レゴシステム A/S
住所:Systemvej 6
郵便番号:DK- 7190
都市:ビルン
国:デンマーク
製作年:2010
プロジェクト:デザインと内装
面積:2000㎡
材質:ポリウレタンの床、カーペット、化粧ボード、デザイン入り音響素材、ガラスの仕切り壁、音響天井、家具