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ジェニー・エクダールが手掛けるDear Disaster

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Dear Disaster by Jenny Ekdahl

このウロコの付いたデザインのキャビネットはスウェーデン人デザイナーのジェニー・エクダールの手掛けた作品で、自然災害の被害者が深く心を痛めた体験から回復する手助けをすることを意図している。

Dear Disaster by Jenny Ekdahl

エクダールは、自然災害をグラフや図にすることが、災害後の心の回復プロセスを助けるというアイディアにヒントを得た。

Dear Disaster by Jenny Ekdahl

木のウロコはそれぞれ片側が青や白、灰色に塗ってあり、もう片側はもとの色のままで、裏返すと水や波のような形を生み出すようになっている。

Dear Disaster by Jenny Ekdahl

ブナ材のキャビネットは合計4000個以上のパーツで出来ている。

Dear Disaster by Jenny Ekdahl

エクダールはスウェーデンのルンド大学のスクール・オブ・インダストリアル・デザインを最近卒業したばかりだ。

以下はデザイナーによる解説です。

自然災害とは、私たちが破壊や災難、悲しみと結びつける出来事です。でも自然災害は人の心を魅了する現象でもあり、美しいと同時に恐ろしくもあります。この矛盾する自然との愛と憎しみの関係が、私の卒業制作の出発点でした。

Dear Disaster by Jenny Ekdahl

私は、自然の力に対する私の感謝の気持ちと、自然災害後の心の回復過程の両方を表現する作品を製作したかったのです。自然災害をグラフや図表、簡単な絵で表すことは、災害を受け入れ安くするのだと言われています。

ですから私は卒業制作の一環として、リズムや複雑さ、遊び心といった人間が無意識のうちに興味を引かれる形や素材、模様を調査し、また、作品に個人的なツメ跡を残す可能性を考えました。

Dear Disaster by Jenny Ekdahl

このキャビネットの構造に触れることは、使う人にとっては自分の物語を語る方法であり、悲しみと恐怖についての会話なのですが、同時に、それは理解を越えた出来事の後に意味を見出し、自然に信頼を取り戻すことでもあるのです。

構造の機能は、その人の人格や感情、自分だけの印を表示して見せて、使う人の心を喜ばせることにあります。そしてその人がしようと決めたことに応じて、その出来事を強調すると同時に隠すことで、使う人への触覚的な補助として機能しています。時には、生活の中でページをめくって先に進むように、あなたもこのプロセスについて話すかもしれませんね。

Dear Disaster by Jenny Ekdahl

キャビネットは、水を表すだけでなく水が無いことも表し、自然災害を定義するコントラストとなっています。 泥が干ばつ割れているとき、水の泡と同じような三方模様を作るので、私はデザインにこの構造を取り入れることにしました。

キャビネットはブナの木で作られていて、ドアには小さな木のウロコが付いていて、ウロコは動かすことが出来ます。私が自分でキャビネットを設計し製作しました。パーツは全部で4,000個以上もあります。


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