日本の篠崎弘之建築設計事務所による、この東京の住宅の壁や床には、大きな長方形の穴が開いている。
木製のはしごが段違いの4つの階層を繋ぎ、作り付けの収納棚を持つ階段は、一階のアトリエから互い違いに配置された、上層のダイニングルームとキッチンへ通じている。
ひとつめのはしごを伝ってダイニングルームからリビングルームへのぼり、そこから壁にある広い穴を通じてベッドルームに降りる。
もうひとつのはしごは、リビングルームと、床に開いた4つの穴で十字形にレイアウトされた、骨組み状の最上階をつないでいる。
小さな書斎の空間が、この穴のうちのひとつに沈み込むような形で設置され、居住者は、その上の階の床を机として利用する。
長さの異なる照明が、同じく穴を通じて吊るされていて、最後のはしごが屋上のテラスへ繋がっている。
Dezeenで以前に紹介した同じような日本の家に、幅の狭い明かり取りをもつ段違いの住宅や、その他の、壁に穴をもつ住宅などがある。
日本の住宅についての全ての記事を見る。
写真:Hiroyasu Sakaguchi
以下、篠崎弘之建築設計事務所からの詳細
「House T」は、東京都心のある夫婦のための住宅兼アトリエだ。本棚のようなフロアが、段違いのボックスの中の異なる階層に配置されている。
家具は、それぞれのフロアをリビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、ベッドルームにする為に設置されている。
フロアは、ボックスの中央で三次元的に交差する支柱によって、引っ掛けられているだけの構造になっている。
こうしたシンプルな構造が、空間の構成に自由度を与えている。
容量の大きなボックスの中、 それぞれのフロアにいながら互いに目に見える形で、二人の日々の異なる活動を行う。
照明は、ボックスの頂上からそれぞれのフロアに吊るされ、それらを浮遊するステージのように照らし出す。
クライアント:一組の夫婦
場所:東京、日本
建て面積:75.62平方メートル(合計)
完成日:2012年5月
建築構造:木製フレーム、2階建て