じょうろやアクションフィギュアなど、日常の中にある物が、 デザイナーのマシュー・プラマー・フェルナンデスによってスキャナに取り込まれ、変形され、カットされた宝石のように鮮やかに彩色された3Dプリントによる器が生み出される。
これらの作品は、じょうろやパワーレンジャーのアクションフィギュア、スプレーのボトル、イルカの形をしたランプ、そして19世紀の花瓶などの3Dスキャンがベースになっている。
デザイナーは、スキャンしたデータを、無色の砂粒子と染色された樹脂による3Dプリント用のファイルに書き出す前に、伸縮・歪曲のアルゴリズムをもったカスタムメイドのソフトウェアを利用して、新しい形状へと変化させている。
「アルゴリズムは基本的に、数学的にその物の座標位置を再配置することで、形状を変化させます。」プラマー・フェルナンデスはDezeenに語った。「異なる方程式が異なる効果を生み出す-例えば最もシンプルなのは、オブジェクトを伸縮させる簡単な乗算で、同時により複雑な数式を加えることで、オブジェクトをねじ曲げ、平にし、あるいはスパイクのような新しい特徴までも作り出すことができます」
「プログラミングは、私の作業のキーとなる部分です」彼は付け加えて述べた。「既存のRhino(ライノー)やAutocad(オートキャド)のようなプログラムを使う代わりに、私は専用の3D編集ツールを作るのです。それらは、クリエイティブなコーディングのためのオープンソースのプラットフォームである、 Processing(プロセッシング)で記述されています。私はそれらをシンプルに、オブジェクトの形状を作り、3Dプリント用のファイルに書き出すために使用しています」
プラマー・フェルナンデスはコロンビアに生まれ、現在はイギリスに住んでいる。彼はそこでロイヤル・カレッジ・オブ・アートのデザイン・プロダクト科を2009年に卒業した。
「デジタル・ネイティブ」のコレクションは、ロンドンで10月19日から21日まで開催される「3Dプリントショー」で紹介される予定だ。
Dezeenでは最近「米国のガンマニア達が、自分達だけの銃を作るために3Dプリンターを使用している」という記事を報告した。-3Dプリンティングに関する全ての記事はこちら。
デザイナーからの更なる詳細
デジタル・ネイティブ
おもちゃや洗剤のボトルのような日用品が、デジタルカメラで3Dスキャンされ、そのデータが変形、抽出、彩色を加えるアルゴリズムを通過して、新しい根源的なフォームが生まれる。それは古代の工芸品のようでもある。よほど細密に見なければ、元の素材から受け継いだ物質的な特徴の形跡を見出すのは難しい。これらのデータはその後、カラーの樹脂とサンドストーンによって3Dにプリントされる。
今はまだ、私が進めている3Dスキャン->リミックス->カラープリントというプロセスの、開発の初期の段階だ。これらのオブジェクトは、うまくいけばその初期のステージにおけるプロセスを捉える助けとなり、一方でアルゴリズムとフォームは、まだかなり粗削りなところが見受けられる。
アルゴリズムは、2種類の3Dソフトウェアのインターフェース;形状の変形のための「co_former」と、カラーの生成をする「#ccc (colour co-creator:複合カラークリエーター)」の上で実行される。これらは、カラーの3Dプリントが可能なファイルを作成する。開発には、オープンソースのプログラミング言語であるProcessingと、Hemesh、ControlP5、Toxiclibs等のライブラリーを使用している。