オランダのデザイン研究室Studio Roosegaardeは、金属の花型ドームを制作した。このドームはフランスのリールの教会内にあり、教会に訪問客がやって来るとそれを感じて生き返るように見える(動画をご覧いただけます)。
ロータス・ドーム(蓮のドーム)は、「ロータス・フォイル」と呼ばれる光に反応する花を何百個も使って作られていて、花はデザイナーが開発したポリエステルのフィルムを薄く何層も重ねて作ったものだ。
人間の動きを察知し、ドーム内部のライトが空間内を動く人を照らすようにセンサーが使用されている。ライトによって花が開くので、まるで来訪者の行動に反応しているかのように見える。
空間に誰もいないとドームは何もしないでそこにあるだけだが、人を感知すればするほどどんどん活気づく。「ある意味動物のようですね」とアーティストでデザイナーのDaan RoosegaardeはDezeenに語る。「僕らはこれをソフト・マシーンと呼んでいます。半分動物的で半分機械的だからです。」
このインスタレーションはリール3000に向けて芸術団体に依頼されたものだ。このイベントはデザインとアートの未来派コンセプトのフェスティバルで、2012年は「ファンタスティック」をテーマにしている。「僕らはこの街に、街と住人を再び結びつけて欲しい、と提案されました」とRoosegaardeは語る。彼は街を歩いている時にサン・マリー・マドレーヌ教会の「美しくもさびれた空間」を見つけた。
ロータス・ドームは2013年1月13日までビジターに解放されている。
Dezeenでは、ファンタスティック2012での他のプロジェクトを最近紹介しました。街の駅の屋根にあるRoss Lovegroveの銀の宇宙船です。
Dezeenでは以前にStudio Roosegaardeの他のプロジェクトを紹介しています。着ている人が恥ずかしがったり興奮したりする時にシースルーになるドレスです。
Studio Roosegaardeについての記事はこちらから
インスタレーションについての記事はこちらからご覧いただけます。
以下はデザイナーからの詳細です。
今週末、アーティストで建築家のDaan Roosegaardeが手掛けた双方向アート作品のロータス・ドームが、フランスのリールにあるサン・マリー・マドレーヌ教会にオープンしました。ロータス・ドームは何百個もの超軽量のアルミの花で出来ていて、花は人間の動きに反応して開きます。
近づくと、大きな銀のドームにあかりが灯り、花が開きます。多くの人が関わると、柔らかな息遣いからダイナミックな雰囲気へと変化します。光はゆっくりと人を追い、光と影の相互作用が生み出されます。壁に映る蓮の花の形や重低音が、ルネッサンスの環境を「テクノ教会」へと変貌させます。
スマートなロータス・フォイルはStudio Roosegaardeとメーカーが特別開発し、薄いマイラー(ポリエステルフィルム)を重ねて作られ、光があたると開いたり閉じたりします。ハイテクな職人技は、16世紀の教会建築の革新的アイディアに似たところがあります。
ロータス・ドームはリールの街とそこに住む人々のために作られました。美しいのにさびれてしまっているこのルネッサンス建築を活気づけること、そしてこの建築物をもっと活気ある現代的なものにすることが目的なのです。人と技術のダイナミックな関係を、Roosegaardeは「テクノ・ポエトリー(技術の詩)」と呼んでいます。「ロータス・ドームは、建築と自然、過去と未来の要素を結び付ける仲介役として機能しています」と彼は語っています。