フランス人建築家のAlain Hinantはブリュッセルの外れにあるランドリー室だった建物を3階建の家族向け住宅に作り変えました。
この建物はもともとイクル郊外の3軒の住宅用のランドリー室で、裏に別館として建っています。この3軒の家のうちの1軒の1階部分から渡り廊下が伸びていて、ここが道路側からの入口になっています。
Jean Gilbertの芸術作品の一部として、壁と床と天井が帯状に黒と青に塗られています。
「(色と色との)関係性が重要なのであって、色自体が重要なのではありません」とHinantはDezeenに語っています。「空間に入って来たとき、グロッシーな黒はあまりよく見えません。反射が鏡のような働きをして常に変化を見せます。マットな青は純粋な色で、3つの階を結ぶ仮想の容積を示しています」
改築された建物内にはぐるぐると階段が上に伸び、1階のキッチンやダイニングルームと2階の浴室付きの大きなベッドルーム、そして屋根裏の書斎をつないでいます。
階段の上には天窓があり、建物内にさらに自然光を取り込む役割を果たしています。一方で裏側の壁はガラス張りで、一階は庭やパティオへと開かれています。
「この別館は小さな緑の楽園の中心にあります。向きがよく考えられていてとても静かです」とHinantは付け加えます。「このプロジェクトの美しさは、シンプルさとどこにでもある自然がもたらすものです」
ベルギーで最近完成したプロジェクトにはクジラの形のようにデザインされたアイスリンクや正面の壁をカモフラージュしたパフォーマンスセンターがあります。他のベルギーの建築やインテリアもご覧ください。
以下は建築家による解説です:
イクルのランドリー室を改築
この別館はブリュッセルのイクルの中心にある全く同じ3棟の家が集まる場所の裏にあり、20世紀にはランドリー室の役目を果たしていました。3階建のランドリーだった建物と通りに面した家の1階部分は、今はオーナー一家の家です。
改装したことで3つのフロアが視覚的に繋がり、自然光が更に取り込まれ、開いた窓からは庭の風景が楽しめます。別館の中心には大きなオープンスペースが設けられ、そのスペースの中心からは階段が上へと続き、階段は天井にある天窓から差し込む光に照らされています。
上:色概念図
道から見ると、別館の一番裏手にある大きな出窓からの庭の眺めまで望めます。
上:敷地図
アーティストのJean Glibertは、壁、床、天井を部分的に塗ることで、階の上下を超越した色の塊を作り出しました。色の塊は、光沢のある黒の塗装の反射で建物にうまく溶け込んでいます。
上:1階の平面図-クリックして画像を拡大
この改装はシンプルで費用も安く、大半はオーナーが自分たちで行っています。オーナーたちは建物のエネルギー効率の改善に有利な条件も備えたので、将来かなりの費用削減につながることでしょう。
上:2階の平面図-クリックして画像を拡大
建築家:Alain Hinant
芸術家:Jean Gilbert
構造工学技術者:René Troisfontaines
上:縦断面図-クリックして画像を拡大
衛生設備、暖房、断熱:Bruno Hendrichs(Neologik)
金属関連工事:Philippe Gerstmans
キッチン家具:Alain Grousse (Menuiserie Marcel Adelaire)
上:断面図
場所:ベルギー、イクル
面積:120㎡