宮崎に立つ白い家の一枚板のような壁面にあるのは、角の細い垂直の切れ目だけ。この家を手掛けたのは広島の建築事務所、塚野建築設計事務所です。
シンプルな白い四角形でデザインされたこの飾り気の無い2階建て住居には、細い隙間が並んだ窓が1つあり、内側へと続く暗い廊下があります。
廊下の端にあるドアはこの家のダイニングルームへの扉で、ここは地上よりも1メートルほど低くなっており、大きな窓は壁の後ろに隠されていた中庭へと開けています。
建物の幅と同じだけ中庭が広がり、内側のどの部屋からも庭を見下ろすことが出来ます。中庭の地面は壁の外の地上の高さと同じですが、キッチンの作業台やダイニングルームのコンクリート製の朝食カウンターとも同じ高さです。
塚野建築設計事務所がデザインしたこの家のフロアプランは2階ともほとんど同じで、ダイニングルームの上にはリビングルーム、キッチンの上にはベッドルーム、そして書斎の真上にはバスルームを設計しました。
壁の表面は打ちっぱなしのコンクリート、木製パネル、白の漆喰で仕上げられています。
「白い板」ですっぽり包み込むことにより、この家を道路の騒音や威圧的な環境から守ることを意図していると塚野路哉氏は説明しています。彼は次のように説明しています。「コンクリートの白い板によって雑多な周辺環境との意識的な断絶を可能とし、同時に中庭から光を取り込むことで非常に明る内部空間を実現しています」
House Tは塚野建築設計事務所が完成させた最初のプロジェクトの1つです。最近日本で完成した建築物の中には、この他にもブルーの曲がった柱の家や倉庫を改造した住居などがあります。日本の住居に関するDezeen記事はこちらからご覧いただけます。
写真撮影:アサノケンイチ
以下は塚野路哉氏による簡単な解説です。
House-T
宮崎市内に建つ専用住宅です。住居空間を一枚の白い板で包み込むプランを提案しました。コンクリートの白い板によって雑多な周辺環境との意識的な断絶を可能とし、同時に中庭から光を取り込むことで非常に明る内部空間を実現しています。
設計:塚野建築設計事務所/塚野路哉
建築場所:宮崎県
敷地面積:172.38㎡
建築面積:59.47㎡
1階床面積:50.15㎡
2階床面積:57.99㎡
述床面積:108.14㎡
主体構造:鉄筋コンクリート造
建築用途:住宅
Above: ground floor plan
Above: first floor plan
Above: cross section
Above: long section
Above: elevations