階段状の背もたれが空高く伸びるこの椅子は、オランダのデザイナー、マーティン・バース(Maarten Baas)氏が国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)のためにデザインした。
高さ5メートルにも及ぶ「空席」と名付けられたこの椅子は、昨年のノーベル平和賞受賞者で、投獄されているため授賞式に出席できなかった中国の民主活動家劉暁波氏を称えて制作された。
バース氏は、アムネスティ・インターナショナル創設50周年記念式典に合わせて、この作品をアムステルダムで公開した。
写真:Frank Tielemans.
マーティン・バース氏からの説明は次の通りである。
マーティン・バース氏は、この度アムネスティ・インターナショナルの依頼により、中国の民主活動家、劉暁波氏を称える「空席」を制作しました。
アムネスティ・インターナショナルは、ますます深刻化する作家・ジャーナリスト・芸術家・活動家に対する弾圧への抗議活動として、マーティン・バース氏にデザインを依頼しました。
2010年に劉暁波氏は、平和的な人権擁護活動が評価され、ノーベル平和賞を受賞しました。しかし、劉暁波氏自身は、国家転覆を謀った罪で11年間の獄中生活を送っているため、授賞式に出席できませんでした。
劉暁波氏が座ることのなかったこの「空席」は、弾圧の象徴なのです。
マーティン・バース氏がデザインした「空席」は高さ5メートルにも及び、今年の5月28日に行われたアムネスティ・インターナショナル創設50周年記念式典で、アムステルダムのPakhuis De Zwijgerで公開されました。
「空席」のデザインは、限定品のピンとして近日中に発売されます。