イタリアとシンガポールのアーティストによるユニット Lanzavecchia + Wai は、シンガポール伝統の獅子舞面を作る職人とコラボレーションをして制作した紙製のランプを発表しました。
Leoneシリーズ01と呼ばれるこのランプには竹ひごと紙が用いられ、内側はオレンジ色の彩色が施されています。
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写真の著作権はLanzavecchia + Wai と Daniel Peh K.L.に帰属します。
以下はデザイナーによる解説です。
LEONEシリーズ01 - 手細工仕上げの照明器具
シンガポール最後の獅子舞面職人とのコラボレーション
サロン・サテライト2011(Salone Satellite 2011)で発表
ミラノ・デザイン・ウィーク2011の期間中に、Francesca Lanzavecchia と Hunn Waiによるクリエイティブスタジオ Lanzavecchia + Wai は、手細工仕上げの照明器具シリーズのLEONE - シリーズ01をサロン・サテライトで発表しました。

Lanzavecchia + Wai はシンガポール最後の獅子舞面職人とコラボレーションをし、ランプのシリーズ作品Leoneライトを制作し、東南アジアの職人の類稀な技術をインテリアの世界へ紹介することになりました。
柔軟な竹ひごを用いた竹細工にライスペーパーを貼り付け、その内側に伝統色である炎のようなオレンジ色で彩色しています。この作品により獅子舞面を作る技術が、文字通り新たな日の目を見ることになり、全く新しい舞台や表現方法の下で人々の目に触れることとなりました。
巨匠 ヘンリー・エング(Henry Ng) 経歴紹介
職人のヘンリー・エング氏は、獅子舞の舞踏家として長年活躍し、舞踏への情熱を獅子舞面の制作へと注ぎました。
情熱と好奇心から腕を上げ、この仕事を真剣に考え始めた彼は、90年代半ばに(金属機器修理工だった仕事から転職し)専業の職人となり、シンガポールの多くの武道会に尽くすことにしました。
シンガポールにはおよそ20名の獅子舞面職人がいますが、90年代後半には中国で大量生産された安価な製品との競争が始まりました。
利益率が低くなった結果、職人達は皆去っていき、彼はシンガポール最後の獅子舞面職人となりました。つまり20世紀初頭にシンガポールへやってきた中国南部からの移民の文化を伝えているのは、今や彼だけなのです。
Photography © Lanzavecchia + Wai
Photography © Daniel Peh K.L.